デンマーク語
デンマーク王国の公用語で、インド・ヨーロッパ語族、ゲルマン語派の北ゲルマン語に属する。
スウェーデン語やノルウェー語、アイスランド語と同様、デンマーク語も、3世紀のルーン文字の碑文にのこされているノルド基語から派生している。その祖語にいちじるしい変化がおこったのは、バイキング時代(800〜1050年頃)で、このとき、のちにデンマーク語とスウェーデン語になる東スカンディナビア方言と、ノルウェー語やアイスランド語のもとになった西スカンディナビア方言が明確にわかれた。デンマーク語の歴史は、古デンマーク語(800〜1100年頃)、中デンマーク語(1100〜1500年頃)、近代デンマーク語(1500年以降)の、3つのおもな時代にわけることができる。

古デンマーク語は、ルーン文字による多くの碑文にのこっている。初期の中デンマーク語の例は、12世紀のラテン語文献の中に固有名詞が少し書かれているほか、初期のデンマークの法律の中に豊富に維持されている。これらの資料は、当時、デンマーク語には標準的な共通言語は存在せず、スコーネ方言、シェラン方言、ユトランド方言の3つの地方語が使用されていたことをしめしている。中デンマーク語はいくつかの重要な変化をへて、活用が衰退し文法が簡略化した。そしてほかの言語、とくに低地ドイツ語(→ ドイツ語)から多くの借用語をうけいれた。政府で使用されていたシェラン方言が、共通語の規範となった。

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